歯科コラム
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大人の歯列矯正をしようとすると、顎の大きさに対して歯が並びきらないと言われて左右上下の中間歯を計4本抜歯し、歯列矯正を行いましょうと薦められることが多いです。
果たしてそれは最善の策でしょうか?
中間歯抜去の矯正の理屈は、奥歯を固定源として動かさず、その手前にある中間歯を抜歯し、歯列不正のある前歯を動かしていくというシステムが多いです。
中間歯の幅が7.5mm前後なので左右抜歯すると15mmのスペースができます。歯を並べるのに足りないスペースがちょうど15mmだと良いのですが…
中間歯抜去の矯正の問題点は、そんなちょうど抜いた歯のスペースと足りないスペースが一致することはほとんどなく、
①残ったスペースを埋めるために、前歯を内側に入れたり、奥歯を斜めに倒したりしてること。
②歯を抜いて並べるので、歯列のアーチが小さくなることです。
①は、前歯を内側に入れることにより顎が後方に下がり顎関節症の発症のリスクがあります。奥歯を斜めに倒すと、かみ合わせの高さが低くなったりとこれも問題が起きやすいです。
②アーチが小さくなると、それも顎が後方に下がりやすくなります。さらに舌房(舌が機能するのに必要なスペース)が小さくなり、舌の機能的な問題が起きます。
日本にもかなり高度な技術をお持ちで、その辺の問題も理解した上でやってくれる先生もいるみたいですが、ほんの一握りだと思います。私の見る限りでは、多くの場合は目に見えない問題と引き換えに歯列不正を治しているように感じてしまいます。
私はもともとウィーン大学のスラブチェック先生、元神奈川歯科大学教授佐藤先生の非抜歯の不正咬合も治していく歯列矯正を勉強してきたため、基本的に中間歯は抜去しません。「非抜歯矯正」でその矯正の理屈をお話します。
藤沢市柄沢、大鋸、並木台、渡内、藤が岡で歯医者をお探しの方は、
ふじ歯科医院までご連絡下さい。
住所: 神奈川県藤沢市柄沢558-9【地図】
院長: 藤原崇