歯科コラム
Column
Column
ここ数十年で、子供たちの口腔内環境はどんどん変わり、歯列不正の割合は、世界中で増加しています。
日本でも、子供の矯正治療について考える親御様が増えてきています。
口腔内環境は、その後の健康や学力、運動能力にも相関するデータが出ているくらいなので、矯正治療を考えているなら、いつ始めるか、どのような治療をすべきか、子供にとって最善の選択を考えてあげる必要があります。
ただし、矯正治療は、いろいろな考え方、方法がある治療です。
・そもそも審美(見た目)を治す治療ですから、それのみを考えている先生もいらっしゃいます。
・審美だけではなく、その先の健康、成長発育も考えている先生もいらっしゃいます。
ここからが本題ですが、
いつから矯正治療を始めるべきか
・歯医者に相談に行き、よく勧められるパターンの1つは、「前歯4本が萌え代わったら矯正治療を始める。」です。
これは、歯にワイヤーを固定する装置が使えるようになるタイミングです。昔は、矯正器具の種類が今ほどなく、この時期に始めるのがスタンダードでした。前歯が乳歯の時に比べ歯列不正が顕著になり矯正治療の効果を実感しやすい時期ではあるかと思います。7,8歳ころになると、比較的協力度が上がり、親のストレスも少なく済む傾向はあるかもしれません。
・5,6歳から始める
数十年前はこんなに早く矯正治療を始めることはありませんでしたが、現在では早期介入した方が良いという考え方も出てきました。
歯列不正が起きる根本原因の1つに口腔機能があります。(口腔機能とは、噛む力、舌や口唇、頬の筋力などや、口呼吸か鼻呼吸かなどのことを指します。)機能が弱いと本来の口腔ボリュームや顎の成長が得られません。小さく狭く歪み、歯列不正の原因となります。
さらに、この口腔機能は、身体に様々な影響を及ぼします。食事で獲れる栄養の偏り(咀嚼力がないと、ご飯、パンなどそんなに噛まずに簡単に食べれる糖質に偏りやすくなり、ビタミン、タンパク質の摂取量が少なくなりがち)。口呼吸は、細菌やウィルスを取り込みやすくなったり、姿勢の歪みや自律神経に影響をもたらします。睡眠の質にも関わり、小児性睡眠時無呼吸症候群も多くみられるようになり、脳にまで影響を及ぼすことが分かってきています。もちろん、むし歯や歯周病が起きやすくなります。
口腔機能は早いタイミングで介入した方が改善しやすいです。しかし一方で、口腔機能のトレーニングは毎日の生活の中で本人の意識や家族の協力がないとできないものなので、本人の性格や生活環境も大きく影響します。どのタイミングで開始するかはご家庭毎の判断が必要になります。
・永久歯にすべて萌え代わってから、または大人になってから始める
年齢が上がるにつれて、顎の成長はとまっていき、歯や顎は動きづらくなっていきます。
審美(見た目)を治すためだけの矯正治療を行う場合なら、小さく狭く歪んだ顎はそのままで、スペースが足りなければ、中間歯(前から4番目の歯など)を抜いて矯正治療を行うのが日本ではスタンダードです。
永久歯列では、根本の原因である小さく狭く歪んだ顎にアプローチするには遅くなってしまいます。大人になって矯正することは決して悪いことではないですが、お子様の矯正治療を検討するなら、早いタイミングで検討する方が選択肢は多くなるかと思います。
藤沢市柄沢、大鋸、並木台、渡内、藤が岡で歯医者をお探しの方は、
ふじ歯科医院までご連絡下さい。
住所: 神奈川県藤沢市柄沢558-9【地図】
院長: 藤原崇