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予防歯科

Preventive dentistry

PREVENTIVE DENTISTRY予防歯科について

予防歯科

生涯を健康に過ごすために、高いQOLを保つために、従来通りの治療(むし歯になったら歯を削って治療し、やがて抜歯し、失っていく治療)では、お口の中が崩壊していく一方で、患者様にとって良いものでも望むものでもないように思います。2014年に日本の高齢者1000名に行われた健康に関するアンケートで1位になったのは、運動や食事、たばこを抑えて、「歯の定期検診を受ければ良かった。」でした。

むし歯になる前、歯周病になる前に判断し、食い止めることが大事です。歯科の先進国であるスウェーデンやフィンランドでは、1980年代、日本と変わらない水準でした。しかし現在は、予防歯科が発展し、今では80歳になってもほとんど歯を失っていないという人が多くいらっしゃいます。悪くなった歯を治療するのではなく、歯が悪くならないように予防すれば、歯を治療する機会が少なくなり、将来長く健康を保つことができ、患者様が望む結果が得られるかと思います。

各世代の予防歯科

単純に歯周病やむし歯の予防のためにクリーニングや検診に通うだけでは、充分とは言えません。各世代で、必要なことも変わってきます。早い段階で正しい知識を持って、正しい選択をしていけば、むし歯の治療も、矯正治療も、歯を抜く必要もなくなります。

健康モデル

人は20歳まで成長し、その後徐々に老化し、機能が低下していきます。そして、最期10年は著しく機能が低下しやすいと言われています。図は100歳まで生きるとして、100%の機能獲得、成長をした人と、80%の人を比較したものです。ピークが低ければ維持力も弱く年を重ねた時に問題が起きるのは早いのです。身体も口や歯も考え方は同じで、成長期には、ピークを高く成長させてあげることが将来の予防につながり、20歳以降は下がっていかないような手立てが必要です。高齢期に大きく機能が下がっている場合は補填やリハビリが必要になります。

①妊娠期
赤ちゃんはお腹の中でおっぱいを吸う練習をしています。お腹の中の環境、骨盤は昔に比べ狭くなっている傾向にあり、赤ちゃんに影響していると言われています。また、お母さんの歯周病は、飲酒の数倍、胎児に影響を及ぼします。健康な赤ちゃんを産むために歯周病のケアも重要です。
②幼児期(0歳~5歳)
抱き方、おっぱいの飲み方、遊び方など様々なことが成長発育に影響します。誤った習慣を身につけると、呼吸や骨格、筋肉に影響を及ぼし正しい機能獲得ができない可能性があります。機能の獲得は5歳までがピークでその後獲得するのが難しいです。正しく機能獲得できていれば、お口を含めた全身の健康、成長発育に良い影響をもたらします。
③小児期(6歳~12歳)
獲得した機能に応じて成長していきます。機能が弱い場合、筋機能訓練や矯正治療が必要になる可能性があります。フッ素による歯質の強化や食生活、習慣の改善で、むし歯予防を行います。
④成長期(13歳~19歳)
永久歯に全て萌え変わり、顎口腔系の成長は大方終わります。小児期に引き続き、むし歯予防や矯正治療を行います。
⑤成人期(20歳~65歳)
むし歯、歯周病の予防により、歯を失わないようにケアし、口腔系の機能低下を防ぎます。
⑥高齢期(66歳~)
歯の欠損に対しては補填が必要です。オーラルフレイル、サルコペニアなど弱くなってきた機能に対してリハビリテーションが必要です。

治療の流れ

①初診
歯周病がある場合、数回かけて、歯周病の治療(歯石除去など)を行います。(むし歯の治療がある場合、並行して行えます。)その後、予防歯科のプログラムから最適な検診期間などを相談し決めていきます。
②コンサルテーション
各代に応じて、アプローチが変わります。成長期以前は機能の獲得がメインで、成人期以降はむし歯、歯周病の予防がメインです。
③治療
患者様毎に検査を行い、何が必要かご説明ご提案させていただきます。
④メンテナンス
歯周病がある場合、数回かけて、歯周病の治療(歯石除去など)を行います。(むし歯の治療がある場合、並行して行えます。)その後、予防歯科のプログラムから最適な検診期間などを相談し決めていきます。

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